武術太極拳とは
武術太極拳とは
日本では太極拳が広く行われるようになって、約40年がたちます。 近年では長拳、南拳や各種の伝統拳術が若い人々の間で行われています。
「中国武術」は国際的には「武術」の中国発音WUSHU(ウーシュー)の名称で普及しています。 太極拳は武術(WUSHU)の中の一種類ですが、日本では太極拳の愛好者人口が圧倒的に多いことから、 太極拳と各種の中国武術、中国拳法を総称して「武術太極拳」の名称で普及を進めています。 日本での愛好者人口は約100万人と言われています。
数多くの武術種目の中から、愛好者や競技人口が多く、特徴が典型的な
・拳術 3種目-太極拳、南拳、長拳
・短器械 2種目-剣術、刀術
・長器械 2種目-棍術、槍術
の7種類の武術を国際競技種目としています。
1.太極拳
伸びやかで大きく、ゆったりとした動作が特徴。
本来、柔らかい動きで相手の力を外しバランスを崩して合理的な力を用いて相手を倒す技法の武術。
体力に応じて行うことが出来て健康法としての効果が大きい。
伝統的な太極拳は、陳式、楊式、呉式、孫式、武式等で、それぞれ異なった風格がある。
広く普及するために定められた規定太極拳-簡化24式があり、
競技用として、総合42式、陳式56式、楊式40式が定められた。
2.南拳
中国南方で行われている拳術の総称で、多くの流派があり、その一部は日本の空手の源流と云われている。
特に、広東州、福建省の南拳が華僑などを通じて広く世界に広まった。
特徴は、両足でしっかりと踏ん張って両腕を力強く使い、力を出すときに気合を発する。
3.長拳三種目総合
3-1.長拳
査拳、華拳、少林寺拳等の総称である。
特徴は姿勢や動作が大きく伸びやかでスピードがあり、跳躍動作が多く含まれ、優美で活動的なことである。
体操の床運動のように全身を用いて縦横に動き回るので年少者や初学者の練習に適している。
特にアメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国で最近急速に競技人口が増えている。
3-2.短器械
(1)剣術
器械(徒手の拳術に対して、各種武器の総称)は各種の拳術、流派がおのおのの技法、風格に応じて行うが、
この競技種目での器械は長拳系の技法を用いるものに限定される。
剣は両刃の直剣で、刺す、切る、払うなどの技を身体の跳躍、回転、前進、後退等と組み合わせ複雑な攻防の技を行う。
優美、華麗でスピードと力強さが要求される。
(2)刀術
片刃で湾曲した刀身で切る、払うことを主体にして、刺す動作も加わる。
身体の動作とともに力強く行うことが要求される。
3-3.長器械
(1)槍術
柔軟性のある柳の木などで作った槍身に短い穂先をつけたおのを用い、
突く、払う、からめる、打つなどを身体の動作と組み合わせて行う。
槍の基本技は他の武術にも応用できる重要な基礎訓練となり、非常に高度なテクニックが要求される。
(2)棍術
槍と同様に柔軟性のある柳などの木で作った棍棒を用い、
払う、突く、打つ、からめるなどの技を身体の前進、後退、回転、跳躍とともに行う。
棍術は、長器械の基本技術を身につけるための必須の種目といわれている。